シスコ・システムズ(CSCO)の2018年度・第3四半期の決算分析。

2018年6月12日火曜日

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少し気になる決算

シスコシステムズが5月16日に2018年度の第3四半期の決算を発表しました。個人的には心配する必要はないが、少しだけ気になる決算だと思いました。


売上高・EPSは前年を超えていますが、営業利益率が減少しているからです。

決算発表直後から株価は減少しましたが、営業利益率の低下を嫌気しているのかなと感じました。

シスコシステムズは素晴らしい会社なので、とりあえず売るようなことはまったくないですが。



営業利益率の低下

GAAP2018Q32017Q3対前年同期
売上高1246311940+4%
営業利益31343169―1%
営業利益率25.1%26.5%―1.4%
純利益26912515+7%
希薄化後1株利益0.560.5+12%


non-GAAP2018Q32017Q3
売上高1246311940+4%
営業利益39253857+2%
営業利益率31.5%32.3%―0.8%
純利益31953026+6%
希薄化後1株利益0.660.6+10%

シスコが発表した、GAAPとnon-GAAPの決算の数値です。

GAAPとnon-GAAPの利益にけっこうな開きがありますが、どうも「株式報酬費用(Share-based compensation expense)」などというようなものを営業費用に含めるか含めないかで、違いがあるようです。要はストックオプションということでしょうが、見解の違いですかね。

しかし本筋はそこではなく、GAAPにしろnon-GAAPにしろ、営業利益率が減少しているということです。

会社側は、

・価格設定とメモリコストの増加によるもの

と説明しています。

価格設定は結局、「値段を下げた」ということでしょう。競争がなければ、値段を下げるようなことをするはずがないので、競争による価格競争に少なからず巻き込まれている、と考えられます。

さらに言えば、コストの増加を価格に転嫁できていないので、シスコの一方的な価格設定は難しい状況にあるのかな、と感じます。

営業利益率の低下は、企業の影響力の低下とも考えられるので、若干、気にする必要はあるなと感じます。

米国株市場では決算発表で営業利益率の低下により、株価が低下するパターンは多いです。日本人からすれば、売上と利益が増えているからいいんじゃないか?と思いますが、米国市場のとらえ方は違うようです。



チャックロビンスCEOからの力強きお言葉

営業利益率の低下は少し気になるところですが、CEOのチャック・ロビンスは、
「我々は戦略を着実に遂行しています。イノベーションへの道はかつてないほど強力であり、ソフトウェアとサブスクリプション事業の強化に向けた変革も大きく前進しています。業界で確固たるポジションを築き、今後もお客様と共に影響力を高めていく自信があります」(シスコシステムズHPより)
という、かなり力強いコメントを残しています。

この言葉はかなり力強く感じます。将来に対して、なんか自信満々じゃないですか。

ここまで言われると、営業利益率の低下は経営陣の想定の範囲とも考えられるし、あえて少し価格を下げる戦略を取っているのかなとも考えられます。

投資家のように外側から見るのではなく、CEOは内部の人で、やっぱり一番分かっている人でしょうから、その言葉は重いです。

そう考えると、気になる営業利益率の低下も長期的に見れば、杞憂に終わる可能性はあります。というかシスコの存在感を考えると、杞憂に終わる可能性の方がはるかに高いのかなあ。



製品別の売上と2018年Q4の見通し


売上対前年同期
インフラストラクチャ
プラットフォーム
7163+2%
アプリケーション1309+19%
セキュリティ583+11%
その他の製品249―6%
製品合計9304+5%
サービス3159+3%
総合計12463+4%

製品別の売上高の推移です。主力のインフラストラクチャプラットフォーム(長い!)が+2%と伸びているし、その他の部分もほとんど伸びているので、あまり心配することもないように感じます。


2018Q4見通し
売上高+4~6%
EPS(non-GAAP)0.68~0.7

また2018Q4の見通しも伸びる予想です。長期的に利益の伸びは、株価の成長にも影響を与えるので、最終的には投資家としては利益が伸びてくれればそれでいいです。なので成長見通しのシスコは見通しあまり心配する必要はないのかもしれません。



シスコのIRは素晴らしい

営業利益率の低下を見て少し気になりましたが、CEOの発言や製品別の売上、2018年Q4見通しを見ると、あまり気にする必要もないのかなという判断でいいのかなと。



最後に蛇足ですが、シスコシステムズの決算発表資料は非常に見やすいですね。日本語のサイトがあるのがとてもいい。非常に好感が持てます。シンプルで分かりやすいですし。

P&Gも日本語のサイトがあって非常に助かりますが、シスコの方が見やすかったです笑。

まあ日本語訳を作ってくれるだけで、非常に素晴らしいですけど!投資家フレンドリーなシスコとPGです。

参考資料:シスコ、2018年度第3四半期業績を発表(日本語版)