nonGAAP(非GAAP)の1株利益(EPS)とは何か?

2018年4月21日土曜日

私の投資法

1株利益(EPS)は3種類?


米国株投資家にとって大事な「1株利益(EPS)」という概念。この1株利益という言葉はよく注意してみないと、同じ「1株利益」でもまったく違う意味になる場合があります。


なぜなら1株利益には3パターンあるからです。


  1. (何も手を加えていない)1株利益
  2. (希薄化後)1株利益
  3. (non-GAAP/非GAAP)1株利益


まず1番の1株利益は、決算によって利益が確定したものをそのまま使用した1株利益のことです。


次に2番は、ワラントや転換株式、ストックオプションなどの影響を除いた場合の1株利益のことです。


通常、希薄化後1株利益は1番の1株利益と大きく数値が変わることはありません。例えば1番の1株利益が1ドルとすると、2番の希薄化後1株利益は0.98ドルという感じです。しかし元の1株利益とは違うので、一応違うということは認識しておいた方がいいと思います。


一番大きな違いは3番です。1・2番の利益は重要ですが、この3番目も重要です。これはnon-GAAP(非GAAP)1株利益と呼ばれています。書き方は違いますが、non-GAAP1株利益と非GAAP1株利益は同じ意味です。



米国の会計基準に沿っていない利益ということ


3番目の1株利益の意味ですが、「GAAP」という言葉がポイントです。「GAAP」とは「Generally Accepted Accounting Principles」の略です。


GAAPは米国企業が業績を開示するときに従うべきルールのことです。日本でも損益計算書や貸借対照表のルールが決まっていますが、GAAPはその米国バージョンのことです。米国企業が決算発表をして、書類を開示するとき、GAAPのルールにしたがって情報を開示しています。


では「non-GAAP(非GAAP)」は何かというと、文字通り「GGAPではない」という意味です。


では米国企業の情報開示のルールが決まっているのに、なんでわざわざ「GAAPではない」情報を開示するのでしょうか?



一時的な費用をとりのぞく必要があるため


GAAPではない数値を公表するのは、まさか偽の業績を開示して投資家をだまそうとしている?数値を良く見せて株価を釣り上げようとしている、、、?


いやいやそんなことはないです。


実は本業とは関係のないことが起きた場合、一時的に利益が伸びたり下がったりする影響を除くために、あえてルールに従わないnon-GAAP(非GAAP)1株利益を開示するのです。


というのもそうしないと前年と比較ができないからです。今年だけ一時的な費用が発生していますから。それをとりのぞいた利益を公表しないと、投資家は前年より良くなったのか悪くなったのかわかりませんよね。


米国では2018年にトランプ大統領の公約であった、法人税減税が実行されました。この影響で米国企業にかかる税金に大きな変更が加わりました。


例えば米のIT大手IBMは、この税制改革成立に関連して2017年第4四半期に55億ドルの特別損失を計上しています。法人税減税なのになぜ特別損失?と思われるかもしれませんが、いろいろな会計上のやりとりがあるのでしょう。


IBMにとって55億ドルの損失は特別損失なので、今回限りの損失です。しかしGAAPのルールに従うと、この特別損失もきっちりと計上したうえで業績を開示しなくてはいけません。


ただ当然のように、昨年は発生していない特別損失なので、昨年と比較すると本年は大幅に利益がマイナスになってしまいます。来年はこの特別損失がないので、一転して大幅なプラスとなる可能性が高いです。


GAAPのルールに従う限り、事実は事実でもややこしい数値がでてきます。



non-GAAPがあると分かりやすい


やはり特別損失をのぞいた数値があったほうが便利いいですよね。投資家としても税金などの事業とは関係のない数値が含まれているものよりも、純粋に事業のみ営業数値を見たいはずです。


その一時的な費用をのぞいた数値がnon-GAAP(非GAAP)の1株利益ということになります。


実際、先ほどのIBMの場合でいうと、


  • GAAPベースの1株利益はマイナス1.14ドル
  • non-GAAPベースの1株利益はプラス5.18ドル

となっています。ちなみに前年は5.01ドルでした。non-GAAPベースの1株利益を開示してくれた方が分かりやすいと思います。投資家にとってはnon-GAAPの方が比較しやすい。



最後にポイント


米国株投資をやっていると、決算発表というのは避けて通れません。その決算発表では、希薄化後1株利益なのか、non-GAAPの1株利益なのか、はっきり理解して見ないと盛大なる勘違いをしてしまう可能性があります。


少し注意して決算発表をみる必要があります。